
サンチュを育てる新美水耕ハウスの新美久美子さんに、安心して食べてもらえる野菜づくり、安定して届けるための工夫を伺いました。
こちらで育てているお野菜を教えてください。
新美久美子さん(以下、新美):サンチュです。ここでは、サンチュを中心に水耕栽培で育てています。
ハウス自体は父が立ち上げたもので、建ってから約22年になります。私は父を手伝う形で関わり始め、その後、自分が中心になって栽培を続けるようになりました。
水耕栽培を始めたきっかけを教えてください。
新美:父が定年退職したことと、もともと田んぼがあったことがきっかけです。主人が水耕栽培に関わる仕事をしていたこともあり、家族で何かできないかというところから始まりました。
私自身はもともと会社員で、農業に直接関わっていたわけではありません。ただ、父がいて、主人の会社とのつながりもあったので、不安ばかりというよりは、周りに支えられながら入っていった感覚です。
農業を続ける中で、相談できる相手はいましたか。
新美:サンスイ生産組合の生産者さんやサンスイの方に相談できることは、とても心強いです。自分のハウスの状態を見ていると不安になることもありますが、他の生産者さんに「そちらはどうですか」と聞けると、気持ちが軽くなることがあります。
また、半田市の「ニコモグ」という取り組みを通じて、地域の農家さんとのつながりもできました。作っているものは違っても、農家としての悩みは似ています。そういう話ができる相手がいることは、続けていく上で大切だと感じています。
サンスイと一緒に取り組む良さは、どんなところにありますか。
新美:一番大きいのは、集荷から販売まで担ってもらえることです。
農家は野菜を作ることはできます。でも、売る場所がなければ仕事として成り立ちません。一般的にはJAや直売所に持っていく方法もありますが、そのためには荷物を積み、移動し、販売先に届ける時間が必要です。
サンスイは生産者のところを回って集荷し、販売までつなげてくれます。私たちは農園でパッケージングと段ボールの箱詰めまでを行い、その後は生産に集中できます。作ることに力を注げるのは、本当にありがたいです。
日々の栽培で大切にしていることは何ですか。
新美:安心・安全です。毎日葉っぱの様子を見て、葉が出している小さなサインに早く気づけるようにしています。
ハウスで育てているので、環境を管理しやすい面があります。その利点を生かしながら、なるべく健やかな状態で出荷できるようにしています。
安定して届けるために、どんな工夫をしていますか。
新美:種を1週間おきにまいています。水耕栽培では温度や水温を管理しながら、順番に育てていくことができます。
1週間ごとにまいたサンチュが順番に育っていくので、古いものを終えながら、次のものを収穫していく。その繰り返しが、安定した出荷につながっています。
同じ野菜を続けて育てられることも、水耕栽培の良さです。毎日同じサンチュを見ているからこそ、少し様子が変わった時にも気づきやすくなります。
品質を守るために見ているポイントはありますか。
新美:収穫する時に、状態の良いものを選びます。葉に破れがないか、折れていないか、色や形に問題がないかを見て、基準に合うものを出荷します。
収穫の時、箱に詰める時、調整する時と、何度も確認します。サンスイの基準もあるので、その基準をきちんと満たしたものを届けられるようにしています。
サンチュを育てる魅力を教えてください。
新美:野菜を育てることは、子育てに近いと思っています。種から育てて、小さな苗の頃は本当に弱い。少し大きくなると反応も変わってきますし、成長が進むとまた違う様子を見せます。
素直にすくすく育つものもあれば、少し手のかかるものもあります。小さいうちはよく見てあげて、大きくなったら少し見守る。収穫できる頃には「ここまで育ったね」と思います。
そういう変化を毎日見られることが、サンチュを育てる楽しさです。
お店でサンチュを見る時、どんなところに注目するとよいですか。
新美:新鮮なサンチュは、ツヤがあって、ふわっとしています。野菜売り場でナスや葉物を見る時も、張りやツヤを見ることがありますよね。サンチュも同じです。
日にちが経つと、少しずつ水分が抜けて、色や張りに変化が出てきます。できれば、フレッシュなうちに手に取って、早めに食べていただきたいです。
この仕事をしていて、嬉しいと感じる瞬間はどんな時ですか。
新美:野菜はなかなか思い通りにはいきません。だからこそ、いいものができた時は嬉しいです。
特に、ゴールデンウィークやお盆、年末年始のように、たくさん必要とされる時期に、きちんと出荷できると達成感があります。安定して届けることが、食べてくださる方や販売してくださる方につながっていると感じます。
今後も大切にしていきたいことはありますか。
新美:これからも、安定して品質の良いサンチュを届けていきたいです。
土地や気候によって、野菜には向き不向きがあります。新しい品目に挑戦することもできるかもしれませんが、まずは今育てているサンチュをきちんと届け続けることを大切にしたいです。
最後に、サンチュを手に取る方や仕入れを検討されている方へメッセージをお願いします。
新美:生産者は、買っていただいた野菜をきちんと食べてもらいたいと思って作っています。
お店の方には、仕入れた野菜をお客様に届けていただきたいです。手に取ってくださった方には、なるべく新鮮なうちに、おいしく食べていただきたいです。
そのために、私たちも日々工夫しながら、良い状態で出荷できるように取り組んでいます。